整理していたら大友克洋の初の単行本「Short Peace」が2冊出てきた。
出版社が異なる2つのバージョン。
あとがきが、初々しい。
「AKIRA」は分かりやすい傑作だけど、「童夢」は分かり難い作品だ。
この作品が当時、正当に評価されていたのは、健全な批評文化があったからかな・・・。
進化した劇画。
映画のような漫画。
カメラのレンズの概念を反映した初めてのマンガ。
とか言われていたような気がするけど、リアルタイムで体感していた訳ではなかったから、「童夢」という作品には、ピンと来なかった。たぶん多くの漫画家が、潜在的に大友克洋の影響下にあり模倣しているので、新しく感じなかったのかもしれない。
今は、批評や評論がしづらい時代になってしまった。
あまりに細分化し、歴史が積み重なり、一般的な読者が有する可処分時間を、遥かに超えてしまった文化的蓄積。
海外の情報も容易に手に入るので、体系化もできず、もはや収拾の付かない事態になっており、作品の歴史的な価値を無みするしかない。
発売から40年くらい経過した今読むと、作品を作る志の高さが伝わってくる。
あるいは、簡単には読み解かれないぞという強固な防衛本能が、ある種のブランディングを成功させているようにも感じる。
後にAKIRAを作ることになった原点が、新しい漫画を作ろうとする矜恃が、面白い面白くないを超えた何かが、確実に存在していた。やっぱり大友克洋は、大友克洋だった。志高いなぁ~。
追記1)
大友克洋の作品で記憶に残っているのは「Electric Early Bird」という短編。
どの短編集に載っていたか調べようと思ったけど、なぜかネットで検索してもヒットしない…。
タイトルの記憶違いかも。オシャレでカッコいい作品だったなぁ…
追記2)思い出しました。
「Electric Bird Land」でした。
オーツボ 拝