2018年は”応力”の高い1年となりました。
”応力”は、バネを押したとき、もしくはバネを引っ張ったときに、
”元に戻ろうとする力”と言い換えることができます。
今年はプラスとマイナスの面において、どちらの”応力”も高かったです。
マイナスの出来事は、不思議なことに、次のプラスの動きを促進させます。
プラスの出来事は、これはあまり不思議ではないのですが、、次のマイナスの動きを促進させます。
調子に乗ると、次に悪いことが起きることは何となく肌感覚でも分かるのですが、
悪いことが起きると、次の良いことに繋がるキッカケとなることは、
あまりイメージできないかも知れません。
私が二十歳くらいだったとき、たぶんドリカムの吉田美和さんのインタビュー記事だったと思うのですが、
ナットが無くなってしまったボルトを見て、何を思うのか?
もう使えない、と捉えるのか?
いや、まだ半分ある!と捉えるのか…。
当時はこの記事を読んで、非常に勇気づけられたのですが、
数日前に読んだ下記の本は、ボルト・ナット話の、さらに上を行く感銘を受けました。
サイゼリア1店舗目は、青果店の2階という非常に立地の悪い場所にありました。
当然、全然客が入らず、社員の給料を払うのも大変な状況だったのですが、
そんなときにお客様同士のケンカが起き石油ストーブが倒れて、お店が火事になってしまったのです。
創業者の正垣さんは、店を畳むか、それとも立地を変えて出直すか?の選択に迫られました。
いろいろと悩んだ挙句、母親の助言に従い、同じ場所で、お店を再開することにしたそうです。
普通に考えれば、あり得ない決断です。
お客様が来なかった訳ですし、火事があった縁起の悪そうな立地からは、撤退するのが普通でしょう。
しかし結果的には、この”あり得ない判断”が、今のサイゼリアを作り上げました。
再開後もやはりお客様が来なかったの為、知恵を絞って7割引きで料理を出す決断をした結果、
たちまち大人気繁盛店になってしまったのです。
人通りの多い、別の場所でお店を再開していたら、たぶん今の形のサイゼリアはなかったと思います。
たぶん普通の価格帯で料理を出しても、そこそこお客様が入り経営が成り立つので、
1000店舗の一大チェーンにはならず、数店舗どまりだったはずです。
この本から一番学ぶべきポイントは、ここです。
圧倒的に不利な状況を、どのような知恵を出して、どう克服するか?
人通りの多い場所に変えれば、当然、家賃が上がります。
立地の悪い場所は、家賃が安い。しかし家賃が安ければ、いい食材を安く提供できる。
立地が良い場所では、絶対に思いつかず、真似のできない戦術です。
ここに大きなブレイクスルーがあったのです。
2018年は、マイナスな応力も、プラスの応力も加わりました。
昨年末の予測通り、偶然をキッカケとして、大きなチャンスをつかむ事もができましたし、
マイナスな出来事も、サイゼリア本が教えてくれたような意味で、
次の飛躍に繋がるキッカケになったと思います。
具体的な出来事を一つ挙げると、
例えば、年末に父親が入院することになってしまったのですが、
幸いにして一昨日に退院し、今後の生活環境を見直す大きなキッカケとなりました。
まだまだ回復の途中ではありますが、
今回の入院というマイナスの出来事によって、
今まで決断できなかった大きな変化を促すことができたのです。
マンガ事業は今年の後半、休止状態となっておりました。
飲食店が立地の悪さを克服するのが難しいように、
マンガ事業における最重要ポイントである○○は、そう簡単には克服ができません。
その最重要ポイントを克服する為に時間を使い、マンガ制作を休止し、来年の飛躍の為に備えました。
大きく3つ程マンガ事業には仕込みを行ったので、来年は大きく前進することになるでしょう。
その際、鍵となるのが、”応力”です。
”応力”は、実は単位面積あたりに掛かる力を指し示す言葉なので、
断面積を小さくすればするほど、応力は高くなります。
100の力を100の面積で受ければ応力は1ですが、
100の力を10の断面積で受ければ、応力は10です。
これをマンガ事業に適用させることを意識して、かなりの速度を出したいと思っています。
応力のかかったバネが向かう先は、誰も踏み入れたことがない未踏の台地。
見たことがない新しいマンガ事業(台地)とマンガ(生物)がたくさんいるハズです。
ということで、本年もいろいろとありがとうございました。
来年も宜しくお願い申し上げます。
オーツボ 拝