今年最後のコラムは、縦スクロール漫画について書いてみたいと思います。
過去2-3年、スマホ漫画ではどのようなコマ形式がよいのか、いろいろと思考錯誤をしておりました。
検討に検討を重ねた結果、一旦、こちらの形↓に落ち着きました。
縦スクロール漫画でもいいかなと思っていたのですが、
カットとカットのつなぎが曖昧になってしまうこともあり、
やっぱりページ形式の表現の方が、いいよなと…思っておりました。
指で縦にスクロールさせていくと、どうしても次のコマが徐々に見えてきてしまう為、
常にほんの少しだけネタバレしながら、コマを進めていかなければならいので、
そこに違和感を感じておりました。
スマホ対応させる上で、考えなければならないポイントは、かなりあります。
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・マルチデバイスの最適化が可能か
┗異なる画面サイズへの対応(単に小さく表示させるはNG…)
・マルチデバイス対応のコスト
┗作り直す必要があるか?手間がどのくらい掛かるか?ページ漫画化できるか
・臨場感
┗大きく表示させる(縦長中心の画面構成)
・マルチ言語対応
┗左右ページ送りの問題、読み順の問題
・ページめくりのストレス
┗回数(多いと問題があるかどうか)、片手でできるか
・ネームから作画までの制作フロー
┗効率的か?後から手直しが可能か?等
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どれかを取ると、どれかを捨てなければならず、どの表現形態も決定打に欠けるように思っておりました。
ところがところが…、
下記のマンガを読んで意識が切り替わりました。
https://www.lezhin.com/ja/comic/_dearboy
縦スクロールで漫画を読み進めても、全く違和感を感じなかったのです。
むしろコマ大きさや長さを変えたり、絵と文字のバランスをコマとコマの間隔を広げることで自由に調整したりなど、構造的な柔軟性を有していることがわかりました。
ページという制約を取り払うことで、さまざまな自由度を獲得し、漫画を制作する上での問題がほとんどなくなる事に気づいたのです。
実際に漫画も作ってみたのですが、かな~り作りやすくなりました。
あまりぶっちゃけ過ぎるとアレなので控えますが、他にもメリットがいくつもあります…。
慣れ親しんだフォーマットへの愛着からか、なかなか縦スクロール漫画を受けいれることができなかったのですが、今年の後半に良作に出会って意識が変わりました。
まだ縦スクロール漫画に懐疑的な方は、かなりいらっしゃるかと思います。
今作っている漫画を10年、15年後も快適に読んでもらう為の努力を惜しむのはもったいないです。
紙の漫画雑誌は衰退し、好むと好まざるとにかかわらず、スマホに移行してしまいます。
実力のある漫画家の方程、長く読み継がれる可能性が高くなりますから、10年、15年先を見据えて欲しいです。
日本のマンガ文化の為に、是非、ご決断を!!
ということで、読者の皆様、関係者の皆様、本年もありがとうございました。
日々の生活を振り返ると、2016年は、忙しかったり、トラブルがあったり、良いこともあったりとさまざまなことがありました。
大きなポイントとしては、フォトリアル3DCG漫画への移行を果したことと、
縦スクロールへの対応(まだ公開しておりませんが…)が挙げられると思います。
自己資金でやっていることもあり、かなり時間が掛かっておりますが、
来年はここ数年で身に付けた能力を発揮できる機会に恵まれると思います。
結構進化していると思いますので、ご期待下さい。
2017年は大きな変化が起こると思いますが、来たるべき将来へ向けて浮き足立たず、しっかりと着実に歩んで行きたいと思います。
それでは、良い年末年始をお過ごしください!
ありがとうございました!
オーツボ 拝