※「ソーシャルアシスタントとは?」のコラムと一部重複
しておりますが…、以前書いたコラムの再録です。
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ジョブズの「Stay hungry, stay foolish」のスピーチは有名ですが、
個人的にはGoogle創業者のラリー・ペイジ氏のミシガン大学での
スピーチの方が、感銘を受けました。
(全文はコチラ↓)
https://www.huffingtonpost.jp/logmi/google_8_b_5250770.html
Googleの誕生秘話、祖父の事、父の事、家族の事等々、
どれもいい内容の話ですが、
一番良いな・・・と思った部分は、
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テクノロジー、特にインターネットは人に時間を与え、怠け者にします。
どういう意味かというと、百万人の人が利用できるソフトウェアをたった3人で書くことができる。
でもたった3人の人間が一日に100万人の人の電話対応をすることができるでしょうか?
レバレッジを見つけましょう! そしてもっと自分の時間をつくりましょう!
怠け者になるのです!
(引用:上記URL:HUFF POST TECHNOLOGY)
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という部分です。
これはマンガロイド文化を考える上でも、
非常に重要な考え方の一つになると思いますが、
ちょっとした心理的抵抗が働き、一番理解し辛いポイントです。
3Dデータでの作画は、1度データさえ作ってしまえば、
繰り返しそのデータ使用できますので、作画効率が良くなります。
但し、最初に3Dデータを作るのは、時間的にも技術的にも、
かなりハードルが高い状況です。
では、どうやって解決すればいいのか?
その答えは、全てを自分でやろうとするのではなく、
素材となる3Dデータは、可能な限り
ソーシャルなライブラリに頼る事を念頭に、
マンガ制作を行うという事です。
調度、アシスタントに背景等を描かせるマンガ家のように、
他の方が作った利用可能な有料無料の3Dデータを、
マンガを作る為に使用するという考え方です。
アシスタントではなく、ソーシャルネットワークを利用し、
見ず知らずの方の力を借りる事が重要なポイントになります。
映画を例に考えると、分かり易いかも知れません。
ある架空の町を舞台に映画を作る場合に、
映画の撮影に協力してくれる自治体を探す必要が出てきますが、
実在の町をロケ場所に選ぶ事が非難される可能性はほとんど
ありません。
それは、映画を撮影する為だけに、
その町に存在する家や道路、電柱、公園、水道等々のインフラを
すべて新たに作ることは、コストと時間が掛かりすぎる為、
実在の町を流用する事が、暗黙的な了解事項となっている為です。
つまり、架空の町を舞台に映画を作るとしても、
ロケ場所として、実在の町を利用する事は許容されているのが現状です。
3DCGデータを1からすべて自分で作って、
マンガを作ろうとする行為は、
映画に使うロケ場所の町並みを、
すべて建設する・・・に等しい行為と言えます。
ですので、映画でロケーション撮影をするのと同じような考え方で、
3Dデータはすべて自分で作るという考え方を捨てて、
有料・無料の3Dデータを探(ロケハン)して、
マンガで使用するという発想が必要になってきます。
これはいずれ3Dデータを使ってソーシャルマンガ(ソーシャル漫画)を作る場合において、
ごく当然の事として浸透する考え方だとは思いますが、
これから3Dデータでマンガを作ろうと思っている方には、
少し心理的な拒絶感が働くと思いますので、
まず最初に整理しておきたい部分です。
この方向性が明確になると、
3DCGソフトの選ぶ基準も明確になります。
連携のし易さ、プラグインの多さ、スクリプトへの対応、
参考書の豊富さ等々も重要になりますが、
一番重要な項目は上記ではなく、
ライブラリの豊富さという事になります。
ライブラリの豊富さを基準に考えると、
以前のブロマガでも解説しましたが、
マンガロイドで使用すべき3DCGソフトは、
「Daz Studio」か「六角大王」という事になります。
「Daz Studio」は無料です。
いくつかの有料データを買うことは必要になりますが、
かなり低コストで始めることができます。
「六角大王」はセール時に3000円程度で買えるソフトですが、
開発期間が長かった為、値段には不釣合いな程、
高スペックなソフトウェアになっていますし、
ライブラリーは、アレンジOK!素材集2を
合わせて使えば、物凄い豊富なので、
マンガ制作がグッと楽になります。
Googleのペイジ氏は「レバレッジを見つけましょう!」と
言っております。
ありきたりな言葉なので、素通りしてしまいそうになりますが、
非常に重要な言葉です。
「マンガ制作」と「レバレッジ」という言葉は、
かなり距離の離れた概念のように感じてしまう為、
直感的には結びつきにくいかもしれません。
ソーシャルな3D素材を十分に活用することが、
作画時間における「レバレッジ」として、
捕らえる事ができるのです。
マンガ制作にレバレッジを掛けるなんて、
何か不謹慎な事を呼びかけているように思われてしまうかもしれませんが、
短縮された時間は遊んでいる訳ではなく、
シナリオを練る時間に振り替えようという事です。
「作画」と「ネーム」に対する時間配分を見直すことで、
手書きより弱いマンガロイドの表現力を、シナリオ面で補うという考え方です。
「作画」と「ネーム」に対する時間配分が変われば、
従来と異なった世界観の作品が出てくるようになると思います。
日本のマンガ文化をさらに世界に広めて行く為には、
このような方向性の進化も必要になってくるのではないでしょうか。