インタビュー

【インタビュー/Daz Studio】天川和香先生が登場(前編)

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今回のインタビューは、Daz Studio第一人者でいらっしゃる天川和香先生の登場です。

2011年頃から天川先生が運営されている「Create 3D」のサイト上で、Daz Studioのさまざまな技術を公開されていらっしゃいまして、マンガロイド編集部でもかなり頻繁に拝見し参考にしております。

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Daz Studioや3DCGを始めたいなぁ…と思っていらっしゃる方にとって、役立つ情報をいろいろとお伺いすることができました。

それでは本編をどうぞ~!

—————————————————–
マンガロイド編集部)
本日は、よろしくお願いいたします。

天川和香先生)
よろしくお願いいたします。

マ編)
天川先生が最初にDaz Studioに興味を持たれた結果は、どのようなキッカケだったんですか?

天川)
当初はDaz Studioではなく別のソフトを使用していました。
自分の小説の挿絵や表紙に使おうと思って最初にmyShade2を買って、背景画像をレンダリングして使っていました。そのあと、Poser(1)を使い始めたんです。その頃のPoserは使いにくいしフィギアも種類が無かったのと、myShade2の方も、テクスチャの貼り方で挫折して放置していました。

マ編)
Shadeは聞いたことがあったんですが、myShadeというのは初めて聞きました。

天川)
myShadeは、Shadeの廉価版のソフトですね。
その六年ぐらいあとに、テライユキちゃんが発売されたので、Poserの8とシェード10.5を一緒に購入して使い始めました。

マ編)
結構ブランクがあったわけですね。

天川)
そうですね。
それで、テライユキちゃんとコウジさんを購入したんですが、3d素材集を一気に集めて、とても捗りました♪

マ編)
Poserは、どのようなソフトウェアだったんですか?

天川)
Poserは、今でもバージョンを更新しながら販売されている有料ソフトで、Poserで動かせるテライユキちゃんが凄くかわいかったです♪

マ編)
Genesis以前のフィギュアは、PoserでもDaz Studioで使用可能でしたよね?

天川)
そうですね。もともとDAZ 3Dという会社は、Poser用のフィギュアやアイテムを出している会社だったので規格も共通していたんですが、今では確実に独自路線を走ってますよね。

Michael4とかVictoria4とかの『第四世代』までがPoserと互換性があって、その後発売されたGenesisシリーズ『第五世代』で完全に袂をわかちました。

私はちょうど、そのMichael 4とGenesisの両方を知っていて、Michael 4の服を作ろうとして参考書を買ったのですが、全然理解できなくて諦めた所にGenesisが燦然と現れたんです。Genesisの便利さで一気にDaz Studioを使うようになりました。

(※編集部/注:2015年12月時点では、Genesis1とGenesis2はPoserデータに変換可能なプラグインがリリースされています。)

マ編)
Genesisから使い始めているので分かりませんでしたが、Genesis以前は大変だったんですね。

天川)
Genesisは画期的でした。
理屈を知らなくても簡単に服が作れました♪

初めて作った服がこれです。

【Shade】虎徹さんの服作成 1 ベスト作成

(※編集部/注:天川先生は、イーストプレスより晶山嵐というペンネームでBL小説を四冊出版されています。詳細はコチラから

マ編)2012年当時は、ShadeとHexagonで制作されたんですね。

天川)
そうです。シェードのベジェ曲線を最初に触ったので『ポリゴン』というのが何か知らずに3Dを扱っていました。UV展開とか、言葉自体、全然知らなかったんですよ。
そんなこと知らなくても髪の毛とか服とか、機械とか作れたんですよね。
Daz Studioに移行したのは、Poserのディレクトリ構造に我慢できなかったのもあります。アイテムを探すのが、Poserは大変すぎました。何かを選択するたびにヒスを起こしていましたよ(笑)。

マ編)
実はPoser9は、当編集部でも持っているのですが、使いこなせないまま放置しております…。

天川)
Dazはその点もすっきりしていて、英語の壁を乗り越えてでも、楽です。
こういう『データが無尽蔵に増えるソフト』は、そのデータの見つけやすさ、検索性も使い勝手の大半を占めますものね。

マ編)
使用している方は、PoserとDaz Studioでは、どちらが多いのでしょうか?

天川)
末端ユーザーの数は、私には全然わからないです。
今でもDaz Studio4.8での販売物に『Poser設定』が付けられていること、Victoria4に固執しているユーザーがいることを考えると、オールドユーザーは離れていないと思うのです。
最近Dazサイトで発売されている服とか髪でも『V4対応』になっているのがその証拠です。

Poserは、Dazでいう『ダイナミッククロス(布や髪の毛のシミュレーション)が標準添付されているので、便利なんだと思います。

 

マ編)なるほど。

 

天川)
それと、フェイスサロンだったか、名前は忘れましたが、写真から簡単に顔テクスチャを作成する機能が、8の段階でついていたと思います。

ただ、新規ユーザーに関しては、有料のPoserと無料のDaz Studioがあれば、どうなんでしょうね……。
全員がダイナミッククロスが必要なわけではないですし、Genesisシリーズになってからは、『服の破れ』とか第四世代より気にならないわけですから。

 

マ編)

確かに、Genesisから使い始めている私の感想として、「服の破れ」が気になったことはほとんどないですね。

 

天川)

この点は、以前から考えるとホント便利になったと思います。

 

マ編)

話は少し変わりますが…、
Daz Studioが日本でそれ程広がっていない原因は、日本語化されていない…という点があると思うのですが、どう思われますか?

天川)そうですね。それは大きいと思います。私も英語アレルギーがあったので、最初はウインドウを開けるたびにウッとなりました(笑)。かなりストレスでしたね。

マ編)
全く同じです。使い始めた当初は、なかなか情報が目に入って来ませんでした…。

天川)
『英語』というのは英米人だけが使っているものではなく、イスラム圏以外では世界言語みたいな扱いなので、『各国語の英語』があるんですよね。その全員に『わかりやすく』するために、『メニューなどは簡潔に作られている筈だ』という思い込みで、無理矢理慣れました。

マ編)
慣れの問題は大きいですよね。

天川)
盲導犬とか警察犬とかの訓練でも英語でするでしょう?
『簡潔さ』で言えば、英語に勝るものはないと思うんですよね。
それに、メニューなんて一日で何十回も見るものですからすぐに覚えます。
最初だけ、使うメニューを全部日本語訳はしましたが、取り立てて、困りはしませんでした。
ただ、日本語メニューなら、メニューをざっと見て総当たりの試行錯誤とかはしやすいので、その点は少し大変ですけど、本当に、すぐに慣れます。

Daz Studioのおかげで、英語の勉強しよう、って気力が再燃しました。

マ編)
実は私も同じで、最近スマホに単語帳をインストールして英語を勉強しなおしています。

天川)
最初に全部のメニューを覚えようとするから大変なんであって、使う部分から徐々に覚えていけば、なんでも簡単ですよ♪

知っていることは必要ですが、クイズ番組で答えるような、『網羅的な記憶』はしなくていいです。
初心者用の教本にはまず、ウインドウの名前とか、タブの名前とか全部書いてある一覧が表示されていて、それを『覚えなきゃ!』と思うでしょう?
覚える必要なんてないんですよ。

『右ペインか左ペインか』を『右のワク、左のワク』で覚えて支障無いわけですから。

マ編)
私も専門用語は、後で覚え直すことが多いですね。

天川)
『マニピュレーター』なんて覚えなくても『動かせる矢印』って覚えればいいです。
それが恥ずかしいな、って思った時に、『マニピュレーター』とか『ギズモ』とかの専門用語を覚え直せば良いです。
ウインドウに関する専門用語は、個人でソフトを使う上では普通は必要ありません。
ただし、誰かに教わっている場合は、その人に通じる名前で覚えると、教えてもらいやすいです。

それだけです。

使わないものを覚える労力は不要です。
そう考えたら、凄くらくになると思うんです。

マ編)
海外製のソフトウェアを覚える上で、凄く重要な考え方だと思います。
私も、Daz Studioを実際に使用して最初に難関だったのは[Smart Content]が表示されない…という問題。
天川先生に[Smart Content]は壊れて表示されない場合があるから、[Content Library]から毎回探した方が早い…と教えて頂いて、かなり助かりました。

天川)

お役に立てて幸いです♪
謎の現象に当たってしまうと、下手すると丸1日時間がつぶれる時がありますからねぇ……。
使えているかたのチュートリアルがスマートコンテンツを推奨してらっしゃったので、使えなきゃいけないのかと考えていましたけど、普通にライブラリからたどれば、これが壊れていても問題ない、と気づいて楽になりましたね。
今では、スマートコンテンツは一切使っていません。

マ編)
これは非常に重要なTipsなので、覚えておいて損はないです(笑)。
日本語化されていないという部分以外でも、一般的に3DCGは難しいというイメージが一般的にはあると思うんですが、初心者の方がスムーズにソフトを覚える為にはどうしたら良いと思いますか?

 

天川)

二次元の『絵』でも手を出さない方が多い中、三次元の3Dが『難しい』と思われるのは仕方ないです。

その上で、なんでも、知らないものは難しいです。
でもそれは『困難』ではなくて『煩雑』なだけなんですよね。

今から、『1から覚えなきゃいけない』という『記憶力的努力』を大量に課せられるのがわかっているから『難しい』と思うんです。

勿論、モデリングは簡単ではありませんし、英語ソフトを、英語が苦手な日本人が使うのは困難を伴うでしょう。
けれど、『始めてみたら以外に簡単だった』というのもよくあることです。
というか、そう思わないと始められないですよね。

マ編)
そうですね。

天川)
映画『アルマゲドン』でブルース・ウィルスが助手に言われました。
「前例が無い!」
彼は答えました。
「 新 し い 経 験 だ っ ! 」

私はこれを人生の金言としています。

したことがないことは、たんに『新しい経験』なんです。

マ編)
新しい経験は、ちょっと気が引けてしまう傾向は誰しもあると思いますが、もったいない事です。
ちなみに、Daz Studioと連携できるソフトウェアには、どのようなものがありますか?

天川)
OBJ書き出しができますので、OBJ読み込みができるソフトとはなんでも連携できます。他にも、殆どの3dソフトと連携できる書き出し方法がサポートされています。

Dazは最廉価版(無料)のソフトですので、ミドルエンド、ハイエンドのソフトと互換性を保つよう、努力しています。
FBXで書き出せば、Mayaでフィギアのモーフ、リギング、ウェイトマップがそのまま全部使えます。
Dazをハイエンドソフトの素材集とみなし、レンダリングはハイエンドソフトで実行する、ということも簡単です。
『.abc』という拡張子も追加有料プラグインでサポートするようになりました。今後も、新しい形式のファイルが出れば、積極的に互換性を保つ筈です。
今は有料ですが、汎用性の高いものから、無料初期添付プラグインとなっていくでしょう。
Irayなども今では初期添付の無料プラグインとなりましたその対応の速さはソフトとして安心材料の一つです。

マ編)
Irayレンダリングは、本当に素晴らしいと思いました。

天川)
Irayレンダリングは、凄く時間がかかるので、漫画用でしたら、Dazの標準レンダリングエンジン3Delightを使うと良いかも知れないです。

マ編)
3Delightでも十分きれいですからね。

天川)
レンダリングサイズは、上限が10,000ピクセル角なんですけど、建築図面でも2万ピクセルあれば良いと聞いたことがあります。
漫画の投稿用版下(週刊ジャンプサイズ)として使うには、4,500ピクセルあれば十分です。
ブログにアップするのでしたら、1,000ピクセルあれば相当大きな画像を表示できますよ。

マ編)
Daz Studio以外で、天川先生が頻繁に使ってらっしゃるソフトはどんなものですか?

天川)
Photoshop、Zbursh、Maya、Marvelous Designerですね。

マ編)
結構ありますね…。

——————————————–

※後編へ続きます⇒

 

 

 

 

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