速い思考と遅い思考、どちらかに偏りがち

 

急遽、考えを整理しなければならなかったので、サクッと短いコラムを一つ。

人間には、「流動化知能」と「結晶化知能」というものがあるんだけど、
和訳したからか、どうにもこの単語がシックリと来ない。

なので、このコラムでは、流動化知能を「早い思考」と呼び、結晶化知能を「遅い思考」と呼ぶようにしたいと思う。

それぞれの言葉の定義は、こんな感じだ。

「早い思考」は、瞬時の判断能力を指して、直観的に数秒間程度で合理的に行う判断や思考を指す。

一方「遅い思考」は、数日間考え続けて、ようやく出てくるような結論を、導き出した判断や思考を指します。

 

一般的に、青年期は「早い思考」が得意で、老年期は「遅い思考」が得意になる。

どちらの能力も重要で、両方高められればいいんだけど、「早い思考」は、その人が生来的に持っているのスペックに依存する部分があるので、なかなか磨くことが難しい。

一方、「早い思考」が得意な人は、早合点できてしまうので、「遅い思考」が苦手になる傾向がある。

 

本日、下記のツイートを見かけた。

みなさんは、なぜ、このツイートが20万件もの「いいね!」がついているのか、お分かりになるだろうか?

 

 

不覚にも、僕はこのツイートの人気の意味が瞬時に分からなかった。

7日間で憧れの黒マスクになる・・・・。

この商品のどこにニーズがあるのだろうか?

黒マスクは、人に警戒されてしまう為、徐々に周囲の目を慣らしながら、スムーズに黒マスクの着用をしたいのか?

それとも、毎日同じマスクをしていると思われたくないので、ちょっとずつ色が変わっていくマスクに、ニーズがあるのか??

みなさんは、このマスクの人気の意味がお分かりになるだろうか?

答えは、ジョークグッズとして、人気を博している…という事である。

つまり意味の無いおもしろ商品として、話題を呼んでいたのだ。

ラベルをよく見てもらうとご納得いただけるハズだ。ビレッジバンガードで販売されているマスクである。

 

このマスクを見て、普通に直感的に考えれば、どこにニーズがあるんだよ!!と思うはずだ。
とくに若い世代の方は、そう直感的にかんじるのではないだろうか?

僕の場合は、長年生きてきたからか、自分の予想と異なる経験や、信じられない裏があるような情報を数多く接するうちに、
年々疑り深くなってしまって、何か裏があるに違いない・・・という思考が先に来てしまい、直感的な感性がスポイルされてしまっていた。

深読みして、裏があるケースも多々あるが、そうでないケースもある。

今回のマスクは、裏がないケースだった。

物事を正しく認識するには、直感的な若い感性と、疑り深い老練な感性、どちらも必要という事だ。

自分自身の中に、2つのモードを宿して、瞬時に切り替えて多角的な視点を持つよう心掛けないと、物事の本質には、なかなかたどり着けない。

ということで、タイトルにつけた「速い思考と遅い思考、どちらかに偏りがち」という知見に繋がり、
それを補正する方法論を、持っておかないと危険だよね、という結論に至る。

両方得意な天才も稀にいるが、大抵の人は、どちらかに偏っていると思うので、自戒の意味を込めて、気を付けようという事です…。

「遅い思考」の延長戦上の話として、「既知の知識」と「未知の知識」の前回のコラムに繋がるので、、、お時間がある方は覗いてみてみてください。。

オーツボ 拝

 

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