あるアーティストが天才的な能力を発揮している。
その存在を知ってから、1か月ほど経過した。
成成長速度が、にわかに信じがたいレベルなので、
なぜ、このような事が起きるのか?について、
最近、時間があると考えてしまう。
ミュージシャンでも何でもないが、なぜか悔しい。
目の前のさまざまな物事について、人は、異なった認識をする。
Σ)友人を、どのように認識するのか?
♪)映画を、どのように認識するのか?
$)収入を、どのように認識するのか?
ω)プログラミングを、どのように認識するのか?
Φ)社会現象を、どのように認識するのか?
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等々。
ミーシーではないが、言語能力が第6感だとして、未来予測能力が第7感であると、仮定しよう。
第1~第6迄の感覚を総動員し、第7感の精度を高めようとしても、
人生の物理的な時間の制限から、動員できる第1~第6迄の能力にバラつきが出てしまう。
どんな天才を見つけたとしても、専門外の事に関する言動には、
つたない部分を感じてしまうのは、その為だ。
人生に目標を設定する場合、分野は特定のものにフォーカスした方が良い。
しかし、その分野に、100人が群がっていたら、大きな成果を出すことはできない。
2つの分野の専門家になれば、付加価値を生み出せるだろう。
ただ、この分野が離れて過ぎていると、大変危険である。
相関関係が少なすぎ、目に見える形で、成果を残すことはできなくなってしまうからだ。
もちろん、離れている分野を繋ぐことができれば、
より多くの付加価値を生み出すことに成功するが、
多くの場合は、その成果が結実することなく終わってしまうだろう。
近い分野だけれど、まだ誰も手を付けていない分野。
ここに目を向ける必要がある。
偶然、発見してしまう人もいるだろう。
ただ、それでは人生、運任せになってしまう。
どの分野が近くて、なおかつ、誰も手を付けていないか?を探す必要がある。
自分を含め、多くの人を見ていて思うのは、たかだか数十年の人生の時間で、
これを探し出すことは不可能に近い。
であるがゆえ、それを発見してしまうという偶然が、
その人の人生そのものを決めてしまっているのだろう。
冒頭のアーティストが発見した、近くて異なる2つの分野とは、
アイドルとアーティストである。
この壁を突破できた人は、今まで存在しなかった。
だから物凄い付加価値を発揮しているのだ。
最初にその壁を飛び越えた者への褒美として、手付かずの分野が山ほど残っている。
モデルケースが誰もいないが為に、彼女の成し得たことに、
多くの人が気がつくには、まだまだ時間が掛かる。
想像を超えた領域に進んでいるので、理解が追いつかない。
これからも、かなり長い時間、誤解されてしまうだろう。
このような誤解は、早急に解かれるべきだと思う。
それがこの駄文を書いている動機の一部だ。
彼女は、決してアイドルではない。
そして、アーティストでもない。
彼女は、アイドルであり、アーティストなのである。
必然的ではあるが、彼女自身が、自身のキャッチコピーとして、
活動当初から自己を定義している。
歌詞もメロディも編曲も素晴らしい。
歌唱力やライブパフォーマンスもヤバい。
僕の母親が童謡の作詞家だったので、作詞については一家言を持っているが、
あの歌詞は、一見しても分からないかも知れないが、構造的にも発生学的にも、
発見することが難しく、超々々々々々レベルが高い。
シュワちゃんの耳たぶに、リンパが多めに流れているとは、
一体どういう了見なのか?
想像もできない言語能力だと思う。
ユーミンは、歌謡曲とニューミュージックの壁を壊し、
小沢健二は、文学と音楽の壁を壊し、
宇多田ヒカルは、邦楽と洋楽の壁を壊した。
彼女は、多くの人が決して壊れることがないと思っていた
アイドルとアーティストの壁を壊してしまったのだ。
懸念する事があるとすれば、
5年後くらいに、荒井由実がユーミンへ進化したような変化を
この先、遂げることができるのか?という点だ。
50代の女性アーティストが、20代女性の恋愛を歌う新曲を出すことは、
やはり違和感が残ってしまう。
そのような歌を歌えなくなる事は、悲しむべきことではなく、生物の宿命だ。
ただ、20代前半に作ったという事実は、消えることがないので、何歳になったとしても歌えるハズ。
30才に近づき、アイドル的な要素を削減しなければいけないときが来ても、それは新たな進化への触媒と言える。
まだまだこれから開拓すべきフロンティアが、膨大に残っているように見える。
ほとんどの人が壊すことができない、この壁を超える為には、
一体どうすればいいのだろう?
stay hungryでなければ、行動に移すことができない。
stay foolishでなければ、新しい付加価値を持った分野を、見つけることができない。
E=mc*2が、”エネルギー”と”質量”の関係性を表した美しい公式であるとしたら、
stay hungry、stay foolishは、”人生”と”心”の関係性を表した
美しい公式であるような気がしてならない。
アインシュタインが、E=mc2を発見し、
ジョブズは、人生におけるE=mc2を発見したのだと僕は思う。
質量をhungryに、光速をfoolishに置き換えることで、感覚的にもシックリとくる。
foolishは、決して「バカ」や「愚か」という意味ではない。
ジョブズのインタビューをよく見てもらうと分かるが、
「多くの人が行く道ではなかったとしても、自分の心の声を信じて、その道を進むこと」
がfoolishなのである。
そうする事で、多くの人から「バカ」だの「愚か」だのと、罵られるだろう。
だとしても、ゴーストがそうささやけば、その道を進むべきなのだ。
と、ここで一つ大きな問題が、残ってしまう。
ジョブズが言うように、
Life = StayHungry x StayFoolish
が正解なのか?
それとも、E=mc*2のように
Life = StayHungry x StayFoolish*2
なのか、という問題だ。
E=mc*2なのだから、StayFoolishも2乗する方が、正しいのではないか?
件のアーティストの成長速度を見ていると、2乗が正解だと思う。
多くの人は、人目を気にしてしまって、行動や言動が大きく制限され、思考の範囲が限定されてしまう。
小さな論理を、自身の行動原理にしていたら、決してその壁を壊す事はできない。
論理を越えた、圧倒的な行動力が、未知の知見や創造性を生み出している。
StayFoolish では足りない。
StayFoolish*2 でなければならないのだ。
大坪 拝
追伸)
StayFoolishは、偏差値2だと思う。踊ろう。