「Ghost in the shell」本気のクリエイターなら必見の映画

 

 

公開時に見に行けなかったのですが、amazonビデオで先ほど「Ghost in the shell」を見ました。

 

なんだかんだで、いろいろな反応がありますが、非常に良い映画でした。
1989年の漫画原作連載から始まった一連の「攻殻機動隊」シリーズの名に相応しい作品だと思います。

 

思い起こせば、これ程人生に影響を与えた作品シリーズは無いかも知れません。
攻殻機動隊がなければ、ほぼ確実に、3DCGで漫画を制作する仕事は行っておりませんでした。

1989年の漫画原作、1995年の押井監督の映画版、2002年の神山監督のテレビアニメシリーズに至るまで、どれも圧倒的に自分に人生に影響を与えてきました。

 

大学時代は4年間、古本屋に行っては棚に置いてある漫画の1巻を大量に購入し、面白かった作品だけ、2巻目以降も読み続けるような生活を送っていたのですが、膨大に読んだ漫画作品の中で、一番面白かった作品が「攻殻機動隊」でした。
1巻目は漫画としては王道的な作り方ではありませんが、士郎正宗さんの知能や知性を、ただただ驚愕しながら楽しむ作品です。1.5巻はいわゆる漫画的な作りの作品が多く、純粋に楽しめます。

※ちなみに2番目に面白かったのは、山本おさむさんの「ぼくたちの疾走」です。

 

押井監督の映画版はたしか1997年に見たのですが、これはこれで押井監督らしい名作です。
見る人によって見方が変わる…そんな複合的な側面を持った作品でした。

 

神山監督のテレビシリーズは、攻殻機動隊シリーズの中で、一番バランスの取れた傑作シリーズだと思います。個人的には一番好きな攻殻シリーズです。エンターテイメント性、作品のクオリティー等どれをとっても圧倒的で、最高です。

影響を受けすぎて、下記のパワードスーツを手掛けた事もありました。

 

今回のハリウッドバージョンは、賛否両論あることは非常によく分かります。
ドリームワークス等々のハリウッドの一流クリエイターが作るとどうなるのか…。非常に納得感のある仕上がりになっていると感じました。
※桃井かおりが出ていることを全然知らなかったのですが、凄い演技でした。複雑な心理状態を観客に短時間に的確に伝えていました。なかなかお目に掛かれない素晴らしい演技だと思います。

と…、過去の攻殻シリーズを、いろいろと絶賛してきましたが、何が一番凄いのかが、今回の映画でよ~く分かりました。ちょっと映画としては、確かに??な部分もあるのですが、でもやっぱり凄いのです。何が凄いのかというと…

テーマです。

作品のテーマというより、もっと広義のテーマです。

 

作品を創る意味。意義。作品を包み込む世界観。知性。知識。未来予測。技術。多くのクリエイターを魅了する熱量。それらの総体が、長きに渡ってこの作品シリーズが続く、本質的な付加価値になっているのだと思います。

個人的には、今この時期に見ることができて、非常良かったです。

年内に公開予定の新作マンガの方向性に確信を持つことができたからです。
作品を公開して、広報もしなくちゃいけないですし、お金も稼がなくちゃいけない。だからといって打算に走ってもいけない。

もっと愚直に、作品の本質的な付加価値を高めることに注力しなければと感じました。
もっとまじめに、もっと根源的に…。

そうでなければ、漫画なんて作る意味はないと思うのです。

 

オーツボ 拝

 

 

 

 

 

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